「一億総活躍」について

自分の挫折体験を人にさらすのって恥ずかしいこと。人によっては「よく(恥ずかしげもなく)公開してますよね」っておっしゃったりします。ではなぜ公開するかといえば、自分も先人の経営者の挫折や失敗体験を知り、前へ進む力をもらったから。稲盛和夫さんの著書は何冊も読み、彼の受験の失敗談や、就職したての頃のうまくいかなかった体験を知りました。稲盛さんには遠く及ばなくとも、つたない自分の体験を共有することで、ほかの誰かや次の世代に役立つかもしれない。

順風満帆だけの人生はないと思う。だから、いまこの瞬間、日本全体を輪切り??にしてみたら、上手くいってる人もいれば、壁にぶちあたっている人もいて、いろんな人生経験をしている人が多種多様に存在しているはず。

「活躍」を辞書で引くと「めざましく活動すること」とある。でも、いつもめざましく活動なんてできないよね。内向的な小学生時代、学生時代に父が若くして他界して母子家庭になったこと、挫折して、もう生きていたくなんてない、と思った時のことを今でもずーっと覚えてる。そのときを過ごしたからこそ、這い上がるバネ、、、レジリエンス力を得たようにも思う。

又吉直樹さんの「活躍」も、長い長い、いわば(はたから見たら)「活躍できない」時代を彼が過ごしてきたからだと思う。その時期に、たくさんの読書をしてきた、それが書く力を蓄積されてきた。彼は、はたから見たら「活躍」とは言えないその時代のことを、決して無駄だなんて思っていない(と撮影でお会いしてお話して感じました)。

社会的弱者の立場を経験すると(たとえしなくても、その立場を察すれば)、いつもいつでも「活躍」してるなんて不可能だし、そんな必要ないんじゃないかなあ、って感じます。

<戯作(げさく)者 松崎菊也さんの言葉>
*「総活躍」という言葉はとても雑
*頑張りたくても頑張れない人もいる。個性や価値観はそれぞれなのに「総活躍」というのは十把一絡げ。発想が安易で押し付けがましい
(朝日新聞 2015.10.8付)

  

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本日10月6日は国際協力の日 青年海外協力隊の募集スタート!

今日、10月6日は「国際協力の日」です。日本政府がコロンボプランに参加を決めた日ということで制定されました。
http://www.jica.go.jp/aboutoda/basic/01.html

Iderumi_harumaki

私が参加したことのある「青年海外協力隊」(写真)も、今月10月1日から応募が始まっています。(2015年11月2日締めきり)

青年海外協力隊の派遣が始まってから50年を迎えました。今年は「青年海外協力隊50周年」の記念の年でもあります。

協力隊の参加資格の一つとして年齢制限があります。受験時に20歳から39歳であること、です。
http://www.jica.go.jp/volunteer/application/seinen/

Iderumi_Akachan

ただし、40歳以上の方にも道はあります。「シニア海外ボランティア」をはじめ、日本での社会経験を活かしたボランティアも応募があります。興味のある方はご覧くださいね。
http://www.jica.go.jp/volunteer/index.html

Iderumi_Mura

写真は、青年海外協力隊当時、フィリピンの村でモロヘイヤを使った調理法を村の女性たちに教えているところです。揚げ春巻きやスープなど。

Iderumi_Origami_1995

このほか、モロヘイヤの葉を太陽の光で渇かし、粉にして、キャンディやポルボロン(スペイン風クッキー)に加工して街で販売し、村の女性たちが収入を得られるようにしたり、低体重児に栄養価の高いおやつをNGOとともに提供するなど、いろんな活動をおこなっていました。

土日には、子どもたちに折り紙を教えたりもしました。折り紙はない。新聞も買うお金がないので、新聞を買って村まで持っていきました。

Iderumi_ryori

「ない」から諦めるのではなく、「ない」からこそ工夫をする。そんな習慣が、すこしは身についたと思います。

興味を持った方は、JICAボランティアのサイトをご覧くださいね。

http://www.jica.go.jp/volunteer/index.html

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モモ

ミヒャエル・エンデの「モモ」。

  

久しぶりに読みました。

印象に残った箇所をピックアップしてみます。

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ベッポの言葉

(道路の掃除について)

「とっても長い道路を受けもつことがよくあるんだ。おっそろしく長くて、これじゃとてもやりきれない、こう思ってしまう。」(中略)

「いちどに道路ぜんぶのことを考えてはいかん、わかるかな?つぎの一歩のことだけ、つぎのひと呼吸(いき)のことだけ、つぎのひとはきのことだけを考えるんだ。いつもただつぎのことだけをな。」(中略)

「するとたのしくなってくる。これがだいじなんだな、たのしければ、仕事がうまくはかどる。こういうふうにやらにゃあだめなんだ。」
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『時間をケチケチすることで、ほんとうはぜんぜんべつのなにかをケチケチしているということ』

『時間とはすなわち生活なのです。そして生活とは、人間の心の中にあるものなのです。人間が時間を節約すればするほど、生活はやせほそって、なくなってしまうのです。』
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(モモが灰色の紳士のことばを聞いて)

『話す声は聴こえるし、ことばは聴こえるのですが、話すひとの心は聞こえてこないのです。』

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(灰色の紳士がモモに対して言う)

『「人生でだいじなことはひとつしかない。」と男はつづけました。「それは、なにかに成功すること、ひとかどのものになること、たくさんのものを手に入れることだ。ほかの人より成功し、えらくなり、金持ちになった人間には、そのほかのものー 友情だの、愛だの、名誉だの、そんなものはなにもかも、ひとりでに集まってくるものだ。」』

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(モモが)

『食べるものはたくさんもらったわ、おおすぎるほどね。でも、満足した気持ちには、ひとつもなれないの。』

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(モモに対して、カメのカシオペイアが)

『「オソイホド  ハヤイ」  

  (中略)ゆっくり歩けば歩くほど、はやくすすみます。』

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(マイスター・ホラがモモに対して)

『この病気の名前はね、致死的退屈症というのだ』

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以上

中でも、最も印象に残ったのが次の言葉です。

『話す声は聴こえるし、ことばは聴こえるのですが、話すひとの心は聞こえてこないのです。』

話す人の心が聞こえてこないプレゼンや講演、発表、投稿・・・・

思わず、自分を顧みました。

そうはならないように。

心がちゃんと伝わるように。

  

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”外側の衣”

外資系企業に勤めているとき、ヘッドハンティングがたくさん来ました。いちいち数えてないけどおそらく50社以上2桁。これは私が優秀だからではなく、外資はそういう場所だから。”外資系企業管理職”という外側の衣(ころも)の部分だけを見て似たような業界へ引っぱろうとする人が大勢いるから。でも、いくら自分の好きな食品業界でも、自分が毎日食べようと思わない食べ物の会社には行きたくなかった。いくら高い給与とポジションを得られたとしても、自分が「いい」と思わないものを、自分に嘘ついてまで人には勧めたくないから。いいと信じるものを勧めるのが商売の基本でしょう。外側の衣は、もちろん自分のキャリア形成の上では一つの財産だし、身につけておけば、それに群がってくる人がいる。それを、自分の人気と実力かと勘違いしそうになるのだが、衣は自分の実力100%とは限らない。外側の衣を剥がして生きるのは勇気が要るが、思い切って剥がしてみると、外側だけしか見ないような人が大概消えていくので気持ちがいい。清々しい。

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日航機墜落事故から30年

日航機墜落事故の報道を見ていて
初めて気づいたことがある。
この年は、
父が亡くなった年だった。
そうか。
あれから30年経つんだ。

生存者の一人
川上慶子さんのお兄さん
千春さん(当時14)は、
事故後、高校不登校になり
困っている人を助けたい思いから
介護士になられた。

川上慶子さんも
学校卒業後は看護師になり
阪神大震災のときには
被災した方々の支援をしたという。

今回、お兄さんが
取材を受けた理由について
「事故や災害でご家族を亡くした方にとって、
何か手がかりとなるものを提供できればという思い」
と語っておられた。

ご自身も、
これまで大変なご苦労を積まれたであろうに、
どこまでも弱い立場の人の気持ちに寄り添い
何か役に立てればという思いを抱いて
行動しておられることに
心を動かされた。
手帳に書き留めている言葉
「人は肩書きより生きざま」
を思い起こした。

(写真:父とわたし)

Attached photo is my deceased father and me
He passed away in 1985
– Incident in 1985
The Japan Airlines Flight 123 (JAL 123) Disaster on August 12th
The crash site was on Osutaka Ridge, near Mount Osutaka, all 15 crew members and 505 of the 509 passengers on board died

http://bit.ly/1gBJO4g

Iderumi_Father_Kesyo

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