ミヒャエル・エンデの「モモ」。
久しぶりに読みました。
印象に残った箇所をピックアップしてみます。
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ベッポの言葉
(道路の掃除について)
「とっても長い道路を受けもつことがよくあるんだ。おっそろしく長くて、これじゃとてもやりきれない、こう思ってしまう。」(中略)
「いちどに道路ぜんぶのことを考えてはいかん、わかるかな?つぎの一歩のことだけ、つぎのひと呼吸(いき)のことだけ、つぎのひとはきのことだけを考えるんだ。いつもただつぎのことだけをな。」(中略)
「するとたのしくなってくる。これがだいじなんだな、たのしければ、仕事がうまくはかどる。こういうふうにやらにゃあだめなんだ。」
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『時間をケチケチすることで、ほんとうはぜんぜんべつのなにかをケチケチしているということ』
『時間とはすなわち生活なのです。そして生活とは、人間の心の中にあるものなのです。人間が時間を節約すればするほど、生活はやせほそって、なくなってしまうのです。』
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(モモが灰色の紳士のことばを聞いて)
『話す声は聴こえるし、ことばは聴こえるのですが、話すひとの心は聞こえてこないのです。』
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(灰色の紳士がモモに対して言う)
『「人生でだいじなことはひとつしかない。」と男はつづけました。「それは、なにかに成功すること、ひとかどのものになること、たくさんのものを手に入れることだ。ほかの人より成功し、えらくなり、金持ちになった人間には、そのほかのものー 友情だの、愛だの、名誉だの、そんなものはなにもかも、ひとりでに集まってくるものだ。」』
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(モモが)
『食べるものはたくさんもらったわ、おおすぎるほどね。でも、満足した気持ちには、ひとつもなれないの。』
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(モモに対して、カメのカシオペイアが)
『「オソイホド ハヤイ」
(中略)ゆっくり歩けば歩くほど、はやくすすみます。』
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(マイスター・ホラがモモに対して)
『この病気の名前はね、致死的退屈症というのだ』
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以上
中でも、最も印象に残ったのが次の言葉です。
『話す声は聴こえるし、ことばは聴こえるのですが、話すひとの心は聞こえてこないのです。』
話す人の心が聞こえてこないプレゼンや講演、発表、投稿・・・・
思わず、自分を顧みました。
そうはならないように。
心がちゃんと伝わるように。
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