食品ロス シリーズ(3)年間コメ収穫量と同じくらい食べられるものを捨てている日本

日本が一年間に廃棄している食料は、およそ1713万トン(農林水産省による)。そのうち、まだ食べられるものを「食品ロス」あるいは「フードロス」と呼び、一年間に500〜800万トン発生している。日本の年間コメ収穫量は850万トン程度(農林水産省による)なので、我々日本人の主食の年間収穫量と同じくらい、まだ食べられるものを捨てているということになる。世界の食料援助量600万トン(農林水産省による)をはるかに上回る量を、日本で捨てていることになる。食品ロスの内訳としては、500〜800万トンのうち、200〜400万トンが家庭から、300〜400万トンが事業者から由来している。家庭からの食品ロスとしては、調理し過ぎたものや、買いだめし過ぎたもの、あるいは野菜の皮を厚く剥き過ぎたものなどが挙げられる。事業者からの食品ロスとしては、外食産業の食べ残しや、販売期限の切れたもの、返品などが挙げられる。

食品ロス シリーズ(2)欠品防止と廃棄コストの狭間でジレンマを抱える食品企業

食品企業にとって「食料廃棄」はジレンマを抱えざるを得ない問題である。市場で必要とされるギリギリの量だけを生産・あるいは提供すれば、食料廃棄を最小限に抑えることができ、従って廃棄コストを削減することができる。ただ、そうすると欠品のリスクが高まり、小売店に対する欠品ペナルティが課せられるため、どうしても見込みよりも余分に製造せざるを得ない、したがって食品ロスが発生してしまう、という背景がある。

ダイエットと食品ロス削減対策との共通点

ダイエットと食品ロス削減(対策)の共通点として、「見える化(可視化)」を著書「一生太らない生き方」で取りあげました。定期的に、できれば毎日、(体重もしくは廃棄量を)測定すること。主観的に太っている痩せていると自己判断するのでなく、客観的に数値化し、見える化してから判断すること。ただし、数字だけに頼ってもだめなので、定量・定性の両面から観ること。経営も同じだと考えています。

My book on Diet
http://iderumi.com/?p=1379

日経ビジネスオンラインでは、読者の方からのコメントが掲載されています。コメント頂いて、有難うございます。

日経ビジネスオンライン Interview on food-loss issue appears on Nikkei Business Online
http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20141117/273914/

ナショナル・ジオグラフィック Interview on food-loss issue appears on National Geographic
http://nationalgeographic.jp/nng/article/20141111/423875/

2014年11月20日
第3回 年間500万トンを超える食品ロスを減らすには

2014年11月19日
第2回 食品ロスを助長する根深い日本の食品消費文化

2014年11月18日
第1回 コメの生産量と同量の食品が日本で廃棄されている

File7 日本の食品ロス 井出留美

futoranai_cover_sai

スクリーンショット 2014-11-21 16.44.02

「キレイゴトぬきの農業論」著者、久松達央さんの新著「小さくて強い農業をつくる」

「キレイゴトぬきの農業論」。

新潮新書として出版されたこの本は、なんと3万部近くも(もう超えているかも)売れたそうです。

その著者が、久松農園の久松達央(ひさまつ・たつおう)さん。

久松さんが、このたび、新著を出版なさいます(2014年11月25日)。

久松さんから献本して頂きました。

まだ届いたばかり。

読む前から、本に密度と強い思いが詰まっているのが、

帯から、

装丁から、

目次から、

本の重みから、

伝わってきます。

IMG_5687

本の末尾に、久松さんお勧めの100冊の紹介があります。

それをざっと見ただけでも、いかに久松さんが、これまでの人生で本を読んできた人なのか、また思考の深い人なのかが察せられます。

私が久松さんを好きなところは、権威や世論に迎合せず、もの申すところ。

大きな組織で長いものに巻かれるのは合わないと思います。

今回の本の中に「ニッチな情報こそが価値を持つ」という項があります。

彼の普段の発信を見ていると、まさにそれを体現しているのがわかります。

多くの人からいいと思われなくてもいいから、少しの人に強く「いい!」って思ってもらえればいい。

そういう気持ちが伝わってきます。

9月に久松さんの講演を聴いたときに印象に残っているのは、次のようなキーワード。

「強みにしぼる」

「ないものねだりはしない」

「小さくて強い」(←あっ、この本のタイトルだ)

「数を増やすことは質を落とすこと」

「弱者の戦略」

「弱みは捨てる」

「(相手の)こころに届くよう口説く」

「偏る勇気を持つ」

「ないものはない」

「一点突破型」

「(勝つ闘いではなく)負けない闘い」

この本からも、これらの言葉に共通するメッセージが伝わってきます。

久松さん、これから、楽しみに読ませて頂きますね。

IMG_5686