被災地支援は、地元の商売を邪魔しない配慮を

先週、「被災地支援は、地元の商売を邪魔しない配慮を」と書きました。

実際、現地では、自営業の方が困っていらっしゃるそうです。

モノでの支援は、善意が かえってあだになることもあるのを感じます。

下記、
熊本県八代市で自営業を営む櫻井さんからの、こころからの切なるお願いです。

『支援物資を送るなら、どうか、個人店で購入してください。』

Disaster Relief Activities in Kumamoto and Oita

以下、櫻井さんからのメッセージ(Facebookより)

4月26日 の13:44 · Kumamoto熊本県 八代市 ·
※拡散希望です

批判覚悟で書きます。
不快に感じられる方がいらっしゃるなら、心よりお詫び申し上げます。

私は八代アーケードで洋服屋を営んでいる櫻井といいます。
賛同、批判、全て受けます。
お気軽にご連絡下さい。
0965-33-3353

八代アーケードのど真ん中、生活彩館が当面営業中止となりました。
裏の立体駐車場に関しましては、本日より封鎖、完全立入禁止となりました。
益城をはじめ、甚大な被害を受けた地域とは確かに比べ物にならないほどのことです。

しかし、程度は違えど八代もまた確実に被災地だということを、どうか今一度考えてください。
益城の方々と同じように、我々もまた元の生活を取り戻さなければいけません。
今、八代の自営業者の多くが頭を抱えているのは、紛れもなくこの自粛ムードに他なりません。
もしかするとこの微妙な空気感の違いは、自営業者にしかわからないかもしれません。
一般の消費者の皆様には伝わらないかもしれません。
しかし、真綿で首を絞められるが如く、確実に我々自営業者や商店街を蝕んでいます。

各々が思う支援のカタチがあると思います。
各々が思う支援先があると思います。
その中で、どうか我々のふるさと八代にも目を向けてください。

支援物資を送るならどうか個人店で購入してください。
防災グッズ、日用品、食事、どうか八代の個人店をご利用ください。
飲みに出たっていいし、イベントしたっていいし、楽しんでいいと思います。
自粛ムードでは八代の復興は不可能です。
皆様のご協力なくして八代の復興は不可能です。

心から心から心からご理解ご協力をお願いします。
我々も死ぬ気で頑張ります。
力を貸してください。
お願いします。

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以上

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マスメディアでは報道されない被災地域への配慮を

大震災発生時、メディアの報道が限定箇所からになるのは、ある程度、致し方ないと思います。報道の拠点をどこかに構える必要がありますし、緊急車輛のために移動は極力控えたほうがよいからです。Disaster Relief Efforts for the Kumamoto and Oita Earthquake occurred on the 14th

ただ、寄附金にしてもボランティアにしても、報道で名前が知られたところに集中してしまい、それ以外のところへの支援が薄くなってしまう傾向はあるようです。3.11のときも、沿岸部や原発の近くで大きな被害を受けたところが毎回報道され、長野県や茨城県、千葉県などの現状は、前者に比較して取りあげられる頻度が少なかったと感じます。

今回も、熊本県のうち、熊本市や益城町は頻繁に報道で取りあげられますが、大分県や、熊本県のそれ以外の町はあまり報道で取りあげられません。地震の名称も今のところ「熊本地震」と称されており、大分県は入っておりません。

マス(メディア)ではすべての地域をカバーしきれないところを、ソーシャルメディアでは、できるだけ、人々にあまり注目されないところを知らせてあげる姿勢が求められていると感じます。

また、支援物資や食料は、避難所以外の手の届かないところへ届くよう配慮してあげるのがよい、と考えています。

日本財団CANPANの「配慮が必要な人の避難生活のための情報」は、いわゆる社会的弱者の方をメインに情報が密度濃くまとめられていて、その心遣いがありがたいと思います。

http://blog.canpan.info/cpforum/archive/557

青年海外協力隊フィリピン隊員時代の同期、越智 新さんが避難している熊本県上益城郡甲佐町で、甲佐町の災害義援金口座が開設されたそうです。この機会に、メディアで報道されない被災地にも目を向けていただけるように、と願います。

越智さんの投稿を引用します。以下

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甲佐町の被災状況は、マスメディアにはほとんど出てきませんが、甲佐町にも家屋が半壊して自宅に戻れなくなってしまったという方がたくさんいらっしゃいます。

今後、復興を進めていく上で、継続的な支援が必要です。

皆様ご協力をよろしくお願いいたします。

甲佐町HP「災害義援金口座開設のお知らせ」
http://www.town.kosa.kumamoto.jp/q/aview/1/541.html
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熊本・大分地震から一週間経って 心しておきたい10項目

2016年4月14日に最初の地震が発生してから一週間がたちました。

心しておきたいと思うことを、自戒の念も込めて、10項目にまとめます。

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1、商売をしているところの近くに過剰に大量な支援物資を持っていかない

3.11で現地へ支援にとき、よく一緒にトラックに載せてもらっていた方から教えていただいた重要なことです。

現地の商売のじゃまをしないこと。

店舗や商店の営業がスタートしてきています。

スーパーや飲食店の近くに、大量の支援食料を持っていったり、炊き出しをしたりすると、商売のじゃまをすることになります。

支援食料や炊き出しは、あくまで、そうした手の届かないところ、地元の商売の邪魔をしないところを心がけたいです。

2、早稲田大学 平山郁夫記念ボランティアセンターの発信(2016.4.21)

早稲田大学が、学生に向けて呼びかけている情報です。

一部引用します。

『私たちがまず考えなくてはいけないことは、「被災された方々の生活が第一である」ということです。まだ、被災されたみなさんの生活状況が一定の落ち着きをみせないうちに、たとえ善意で現地に赴いたとしても、食糧や飲料水、交通手段、宿泊施設等の確保もままならず、結果として被災されたみなさんに迷惑をかけることになってしまうとすれば、著しい本末転倒です。』

『だからこそ、みなさんは、冷静に、そして状況を的確に判断してください。また、特に拙速な行動は慎むようにしてください。震災支援では、地震が起きた直後だけでなく、これからの長い時間にわたる復興の時期こそに大学生ボランティアがやれることがたくさんあります。』

詳しくはこちらに載っています。
http://www.waseda.jp/inst/wavoc/news/2016/04/21/1780/

3、避難所へ支援物資を取りに来られない方への配慮

すべての人が避難所で暮らしているわけではありません。

また、すべての人が、避難所に届いた支援物資を取りにこられる状態にあるわけではありません。

足が悪くて来られなかったり、疾病で来られなかったりする方がいらっしゃいます。

ペットや子どもが一緒だから、遠慮して避難所には入らない方もいらっしゃいます。

避難所に支援物資おろしたから一件落着ではない。

いわば「弱者」の状態の方への配慮が現地で必要です。

4、自宅避難の方への配慮

阪神淡路大震災や東日本大震災のときには、自宅避難者が避難所へ食べ物を取りに来ると、拒まれる、という事態もありました。家が残った者と、崩壊した者とで、「あの人は家があるのに・・」といった心情的なギャップが生まれてしまいます。

一部崩壊した自宅で避難している方が、避難所へ取りにいきづらい・・・という事態がもし発生しているなら、その方への配慮も必要と思います。

具体的には、3.11のときには、避難所だけでなく、崩壊したコンビニの跡地や、閉店してしまった店舗などで、青空市の無償版みたいな形で支援物資を配ったりしました。

そうすれば、自宅避難の方が、避難所暮らしの方に遠慮して物資を受け取ることができない・・・という悩みがすこし解消されます。

5、外国籍の方への配慮

忘れがちです。

熊本市内に、外国籍の方向けの避難所が開設されたという情報がありました。

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その後、報道されるのは、主に日本人だけ。

外国籍の方の情報はほとんど聞いていません。

日本へ旅行に来て、たまたま被災された外国籍の観光客の方は、無事でしょうか。

気になっています。

6、筋力が落ちるのでタンパク質が必要

3.11で被災された方が、「タンパク質が思うように食べられないのと、運動をしなくなってしまうから、筋力が落ちたのを実感した。特に階段を上るときに感じる」とおっしゃっていました。

どうしても炭水化物に偏りがちな支援食ですが、魚の缶詰など、タンパク質も提供されているのを拝見しています。

ごはんだけでなく、ごはんのおかずになるものも必要ですね。

味が濃いものだと、今度はのどが渇くので、場合によっては、プロテインなどの栄養補助の食品をうまく活用できるとよいかもしれません。支援物資としては少ないのでしょうが・・・

7、ビタミン・ミネラルの必要性

再三、申し上げていることです。

発災直後に必要だったエネルギーから、一週間経ち、二週間経ち、一か月経ち・・・と、そのステージごとに、必要とされる栄養素が変わっていきます。

微量栄養素であるビタミン・ミネラルが不足すると、体調不良や口内炎、皮膚炎などが発生します。

知人の会社が、支援をしてくださるとおっしゃっていました。

栄養強化の食品ものぞまれます。

8、食物繊維の重要性

7に共通します。

充分な食物繊維や水分の摂取がないと、便秘になります。

運動量も落ちているでしょうし・・・

新鮮な野菜や果物もとりづらい状況ですから、なおさらです。

私がシリアルの会社に勤めていたときは、食物繊維とビタミン・ミネラルが網羅されたシリアルビスケットを支援食として提供させていただきました。最初は22万800食。次に23万9700食。数は、はっきり覚えています。

9、支援を熱狂的に短期的にやって終わりにするのではなく、長く地道に続けていくという視点

マラソンで、最初から飛ばし過ぎている感があります。

長期化する可能性があるので、細く、長く、支援を続けていく必要があります。

今回の地震で、この一週間に2回も赴き、現場の生の情報を伝えていらっしゃる、大阪大学大学院教授で宗教学者の稲場 圭信先生の情報が役にたちます。

「外部からのボランティアではなく、熊本、九州のボランティアで足りるでしょう。人手よりもむしろ、中長期的な支援体制の構築が課題です。」

10、支援は自己満足ではない

「やること」で満足し、物資を持っていくことに終始している支援も見受けられます。

支援は、あくまで、被災した方の日常生活によりそうものでなければなりません。

早稲田大学の発信のリンクをいま一度はっておきます。
http://www.waseda.jp/inst/wavoc/news/2016/04/21/1780/

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熊本市内のある避難所で消費期限が迫り捨てるほどご飯が余っているという状況

熊本市内のある避難所で、消費期限が迫り、捨てるほどご飯が余っているという状況。

被災地の状況は刻一刻と変わっていくため、最初の時期の情報のまま食料を集めて送ると、タイムラグが生じ、送り届けたときには「もう不要」ということも起こります。

また、食料が充分にある避難所と不足している避難所という格差の問題。

そして、自宅避難者が避難所に来る食料を取りにいきづらい、という悩み。

阪神淡路大震災や東日本大震災でも生じていました。

自宅避難の方にこころおきなく食料を受け取って頂くためには、避難所以外のところで配る配慮も必要かもしれません。

実際、3.11のときには、閉店しているコンビニや崩壊した店舗の跡地で食料を配る、「無償マルシェ」のような試みがありました。

Disaster relief efforts

堀潤さんの投稿
http://bylines.news.yahoo.co.jp/horijun/20160421-00056849/

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