少しだけ、無理をして生きる

『少しだけ、無理をして生きる』。

城山三郎氏の著書。

いつも的確なアドバイスをくださる方が、本の言葉を引用しながら紹介してくださいました。

さっそく購入して読みました。

最も印象に残ったのは、もう亡くなられていらっしゃる中山素平(そへい)さんという銀行家の方の言葉です。

『箱から出なくちゃいけない』ということば。

中山さんが人を評価する基準は、「あいつは箱の中に入って安住しているか、それとも箱から出ようとしているか」という点だったそうです。

これは、お茶の水女子大学大学院でキャリア講演をしたときに教えていただいた「コンフォートゾーン」を指しているとも言えます。

「コンフォートゾーン(快適な領域)」は、脳科学や心理学などで使う用語だそうです。

円の真ん中がコンフォートゾーン。

居心地はいいが、ここに居続ける限り、人は成長することはできない。

コンフォートゾーンの外側が、ラーニングゾーン。

学びのゾーン。

その外側が、パニックゾーン。

中山素平さんの、人を評価する基準と同じような目で、わたしも、人を見ているように思います。

ご紹介いただいた方は、この本の別の言葉を引用して教えてくださいました。

良い本でした。ありがとうございました。

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弱点と人と都市

人に対しては「弱点をさらせ、そのほうが親しみをもってもらえるし、好かれる」などと言います。

では、なぜ、都市に関しては、弱点をさらさないんだろう。

横浜市は中華街など観光都市で有名ですが、中華街のそばには寿町(ことぶきちょう)があり、困窮者の方に安価に食べてもらえる食堂や福祉施設があります。

テレビ撮影や取材などでよく通っていました。

「横浜」を打ち出すときは、よい側面を出し、決して「寿町」をおもてに、前面に出すことはないですね。

ニューヨークもしかり。

ニューヨーク市のブロンクスでは、住民の37%が食料に困っているとのこと(2016年6月29日発行、ナショナル ジオグラフィック特別編集 ナショジオと考える 地球と食の未来 より)。

でも、世間で言われるニューヨークは、すべて華々しい部分だけに焦点をあてたもの。

100%完璧な人がいないと同様、100%完璧な都市もない。

だったら、弱点をさらけ出して、「この部分が困っているから、みなで解決していきましょう」ってすればいいのでは。

これまで取材などで協力すると、そこまで度量の深い自治体っていないように思います。

みな、見せたくない部分は見せないようにしている。

もちろん、わざわざ汚く見せる必要はないんだけど、逆に、いいところしか見せないのもうそくさい。

ちょうど、いいところしか見せない人が胡散臭いように。

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弱者と効率

母の兄(伯父)の葉山の家へ、母と弟と3人で。逗子駅から伯父と従兄に車で送ってもらう途中、母が気持ちが悪くなってしまう。ゆっくり運転してもらったり、途中で止まったり、降りて歩いたり、背中をさすったり。具合が良くなったからよかったけど、到着までかなり時間がかかってしまった。

弱い人に寄り添おうとすると、時間や手間がかかる。だから効率は悪い。でも、生きていれば、誰もが弱い立場になる可能性はある。

効率を重視すると、弱者を切り捨てるしかない。弱者を切り捨てるには非情になるしかない。機械ではなく人間として生まれたのに、人間らしい感情を切り捨てる。そこまでして求める「効率」って、いったい何なのだろう。

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