人に対しては「弱点をさらせ、そのほうが親しみをもってもらえるし、好かれる」などと言います。
では、なぜ、都市に関しては、弱点をさらさないんだろう。
横浜市は中華街など観光都市で有名ですが、中華街のそばには寿町(ことぶきちょう)があり、困窮者の方に安価に食べてもらえる食堂や福祉施設があります。
テレビ撮影や取材などでよく通っていました。
「横浜」を打ち出すときは、よい側面を出し、決して「寿町」をおもてに、前面に出すことはないですね。
ニューヨークもしかり。
ニューヨーク市のブロンクスでは、住民の37%が食料に困っているとのこと(2016年6月29日発行、ナショナル ジオグラフィック特別編集 ナショジオと考える 地球と食の未来 より)。
でも、世間で言われるニューヨークは、すべて華々しい部分だけに焦点をあてたもの。
100%完璧な人がいないと同様、100%完璧な都市もない。
だったら、弱点をさらけ出して、「この部分が困っているから、みなで解決していきましょう」ってすればいいのでは。
これまで取材などで協力すると、そこまで度量の深い自治体っていないように思います。
みな、見せたくない部分は見せないようにしている。
もちろん、わざわざ汚く見せる必要はないんだけど、逆に、いいところしか見せないのもうそくさい。
ちょうど、いいところしか見せない人が胡散臭いように。
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