青年海外協力隊として赴任したフィリピン。
クリスチャンの方たちの、
クリスマスに対する思いは、
すさまじいものがあった。
9月からクリスマスの飾り付けが始まり、
街にはクリスマスソングが流れる。
いわゆる”ber”monthの4ヶ月間は、
ずーっとクリスマス。
September,
October,
November,
December.
銀行の窓口も、郵便局も、
みんなが心待ちにしているクリスマス。
クリスチャン人口が世界第3位のフィリピンならではの風潮である。
翻って、日本のクリスマスを考えると
本当に恥ずかしくなった。
クリスチャンの人ならともかく
クリスマスの本来の意味すらよくわかっていないのに、
世間で騒がしくなれば
ケーキを買い、
プレゼントを買う。
チキンなんて本来クリスマスに全く関係ないのに、
鶏肉を買う。
外国籍の何人もが、
日本人がクリスマスにチキンを食べるのだけは
おかしい、許せない、と言う。
バレンタインデーしかり、ホワイトデーしかり。
いくら受け取るチョコの数の多さを誇っても、
本命チョコでなければ
それはただ
たまたま職場で一緒の人から
もっと高い”お返し”を期待されただけかもしれない。
林修氏の著書「いつやるか?今でしょ!」に
「イベントに踊らされるな、日本人!」
というコラムがある。
林氏は、大学時代、イスラム圏からの留学生に
「日本のクリスマスをどう思う?」と聞いたところ
「日本人って、本当に幸せな民族だなとつくづく思う」という
答えが返ってきた経験がある。
それ以来、
クリスマスと距離を持つようになったという。
今の日本は、
売上を重視するコマーシャリズムが主導権を握り過ぎている、と言う。
でも、それを声高に言うと、
それで利益を得ている人たちは
快く思わないだろう。
そうであれば、
一人ひとりが、既存のイベントに踊らされ過ぎない意思を持つ必要がある。
林氏は
『母の日だから電話するのでなく、
毎日親孝行しているから、
母の日に大騒ぎしなくてもいいような日を送ることこそ
真のイベントだと僕は考えている』
と言う。
その通り。
一人ひとり、大切な「イベント」のタイミングは違うはず。
他人のつくったイベントとは適度な距離を置いてつきあい、
自分ならではの真の「イベント」を大切にしていきたい。