東日本大震災の月命日に

2011年3月11日の翌月、石巻へのトラックに乗せてもらい、石巻運動公園に23万9700食の支援物資を降ろしました。3月にも22万800食の支援物資は運んだのですが、4月に入り「宮城県の避難所で栄養不足が発生」との報道を見たためです。おそらく食事が炭水化物に偏り、ビタミン・ミネラルや食物繊維が足りていなかったと推察します。支援物資の倉庫となっていた石巻運動公園のテントに積み降ろした後、当時勤めていた食品企業のTwitterアカウントから「支援物資(自社製品)持ってきたのでお役立てください」と発信しました。すると「個人宅でももらえますか?」と返信をくれた女性がいました。ペットがいて、疾病と闘っているため、避難所に入ることができない。でも地元では、避難所まで取りに来ないと支援物資の食料は受け取ることができない規則になっている。避難所は遠く、移動手段の車が無いため取りに行けない。仕方ないので彼女へ宅配で送り、後日、直接手渡しに行きました。ある場所には大量の食料があるのに、なぜ本当に必要な人に届かないのだろう。そのもどかしい思いが今の活動の原点です。

あのとき起きていたのと同じようなことが、いま世界中で起きています。13億トンもの食料が棄てられているのに、別の場所では食料に困っている人や栄養不足の人が10億人近くいる。

発生してしまったロスをリサイクルするRecycle、再活用する・再配分するReuse / Redistributeは、それを少しでも解消する手段です。そして、そもそも廃棄物を発生させないReduce(発生抑制)は、さらに優先順位が高い取り組みです。

ただ、問題の根っこは、食品に対する一人ひとりの考え方ではないだろうか。頭で「食べ物を無駄にしてはダメだよね」と考えているだけではロスの問題は無くならない。日常生活に浸透する必要がある。そのために、具体的にどうしたらいいのか。そんなことを考えながら、石巻の彼女に毎月11日のメールを打ち、「食品ロスをなくすために」提言を書いています。

It passed three years and eleven months since the 3.11 disaster occurred

『人や組織の成長を長年見守ってきましたが、大きな進歩を望むなら、日々何度も繰り返す小さな行動にこそ着目すべきです。小さな改善を地道に繰り返すことが、大きな変化につながるのです』
スタンフォード大学 元教授 ヘンリー・B・アイリング

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