島根県への日帰り出張 Business trip to Shimane

農林水産省補助事業の一環で、フードバンク事業推進委員会の委員長をつとめております。

その関係で、今日はこれから島根県へ日帰り出張です。

島根日帰り出張というと、食品企業のとき以来、今回で2度目です。

当時、お客様からクレームをいただいて、営業の方からその謝罪を頼まれました。

朝、羽田を出て出雲空港へ着き、出雲空港から車で往復2時間かかるご自宅まで伺いました。

「東京から来たんですか・・」と、お客様が恐縮しておられたのを覚えています。

お客様相談の仕事は合計5年間兼任しました。

広報・栄養業務との兼任でした。

七回もご自宅に通い、そのたびに2−3時間軟禁されたり・・・・

2000年の、ある食品メーカーの食中毒事件のときも、ちょうどこのお客様相談業務を兼任していました。

あのときは本当に大変だった・・・

毎日のように、さまざまな食品企業の社告(自主回収のためのお詫び・告知広告)が並びました。

私の勤めていた企業でも、2度の自主回収をせざるを得ない状況に陥りました。

お盆に海外旅行に行ってきて、金曜日の夕方、成田空港に到着し、実家に着いて、その日の夕刊を見たら、自分の会社の回収のことが記事になっている!!!

あわてて上司に電話し、土曜日と日曜日に出勤・・・

・・・そんな衝撃的なこともありました。

食品メーカーのお客様相談室に電話してくるのは、年代も住む地域もさまざま。

ヤクザもいましたし、山奥に住んでいる80代女性もいらっしゃいました。

5歳の女の子から「お絵描きしよう」と電話があったこともありました。

大変なこともあったけど、いま思えば、なまの声に触れられることは大きな学びであり、社会勉強でした。

マニュアルがあるようで、マニュアルが通用しない仕事でもあります。

同じように説明しても、ある人はそれで喜び、安心する一方で、別の方は怒り出したりします。

難しいなあ・・・と感じました。

地域の方言で話されるので、全国、北海道から九州まで移り住んで暮らしてきた私は「有利だな」と感じることがありました。この仕事のために、あの転々とする生活があったのだろうかと思ったくらいです。

どんな仕事を与えられたとしても、真っ直ぐに向かっていけば、必ずや、その後に役立つと信じています。

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たとえたった一人の声でも

2004年、新潟中越沖地震が発生した週末、支援物資を提供した企業の記事を全国紙で読んだ。

「これは自分の会社(食品企業)でもできるかもしれない」そう思い、週明け、社長と工場長にお願いしてOKをもらい、主力商品を支援物資として手配した。

Delivered disaster relief supplies to Niigata when the Niigata earthquake occured in 2004

その後、お客様相談室に一人の声が届いた。

被災した方からだった。

「電気もガスも水道も止まってしまい、何もないとき、これだけで食べられるのは本当に有難かった。栄養バランスもとれているし、今後は非常食や災害食として販売していったらいいと思う」

支援物資を送ったことに対する御礼の電話だった。

お客様相談業務をやってみればわかるが、御礼や褒める声はまずほとんど届かない。

9割がた、お問い合わせか商品の不具合、苦情。

考えてみてほしい。どこかの商品が美味しいからといって、その会社に平日の昼間に電話をかけ、「いやー、これ、本当美味しいですよ、こんな商品作ってくれてどうもありがとう」などと言うだろうか。

被災して大変なのに、わざわざ電話をかけて御礼を述べるという行為をとってくださった、名前もわからないそのお客様に、心から感謝した。

その声はたった一人の声だが、私の中に強く印象づけられた。

2011年、東日本大震災が起こった後、新潟から頂いたこの声を思い起こした。

被災地とそうでない場所でのシリアルの活用方法をまとめ、2004年に新潟から頂いたこの声も添え、いくつかのメディアに配信した。

日本経済新聞の記者が「これは社会に伝えるべきだ」と取材に来てくださり、2011年5月、記事にしていただいた。

最近の五輪エンブレムの出来事を受け、「ほんの数件の抗議、数人のクレームは世論ではない。時として黙殺することが求められる」と書かれた記事を読んだ。

確かに、何かを判断するとき、数は重要な要素である。だが同時に、質も重要だ。

製造業の生産現場では、ハインリッヒの法則が使われる。1つの重大事故の背後には29の軽微な事故と300の異常が存在するとみなすものである。

クレームの場合、お客様から数件の声が届けば、その背後には100以上の不満があると考える。

ほとんどのお客様は、不具合があってもわざわざ連絡はしない。

もう二度とその商品を買わないだけだ。

商品に不具合があった場合、企業側としてすべきは、それにより健康被害が出ているかどうかを確認すること。

たとえ数件のお客様の声であっても、黙殺はしない。

それどころか、同じような内容が数件重なれば、それは何か重要な兆候と考える。

数は大事。

でも、質も大事。

数を過大視すると失敗する。

新潟から頂いた、たった一人の声。

10年以上経つ今でもはっきりと記憶し、感謝している。

(写真は昨年9月、学会発表で広島へ行ったときに撮影)
Attached photo is shot at Miyajima, Hiroshima, JAPAN

参照記事
「ネットの声を世論と錯覚する愚 五輪エンブレム問題から考えるネット世論追認の危うさ」
http://bylines.news.yahoo.co.jp/furuyatsunehira/20150903-00049142/

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「一人でもいいからフィリピン人の友達を」

青年海外協力隊員としてフィリピンに派遣されたとき、先輩隊員から「一人でもいいからフィリピン人の友達をつくりなさい」と言われました。

帰国後、互いの誕生日にはカードを贈りあい、20年経ってもこうしておつきあいが続いていることを嬉しく誇りに思います。

物理的な距離は遠くても、精神的には近い人がいる。

挫折して誰とも会いたくなかったとき、静かに見守っていてくれた。

誰かが落ち込んだときにできることは、過度に干渉することではなく、その人を信頼し、立ち上がって来るのを静かに見守ることでもあると思います。

リン姉さん、8月26日のお誕生日おめでとう!

Ate Lyn Carlos, happy birthday to you! I am proud of our friendship! Hope see you soon !(写真は16年ぶりにフィリピン出張で再会したとき。)

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一ヶ月、エアコンをつけっぱなしにした結果・・・・

比較的、風がよく通る部屋に暮らしているので、ここ数年、夏はエアコンを一度もつけないことがほとんどです。

特に3.11の震災後は節電を心がけ、扇風機一つで過ごしてきました。

今年は自宅で仕事する時間が増えたこともあり、数年ぶりにエアコンをつけてみました。

複数の記事で「エアコンを1ヶ月つけっぱなしにした結果、電気料金が予想より安かった」と読み、本当にそうなのか?7月末から実験中です。

エアコンは稼働させてすぐが最も電力消費するので、頻繁につけたり消したりするくらいならつけっぱなしのほうが電力を消費しないとのこと。

今週で1ヶ月間の実験・検証終了。はたして結果はいかに?

とはいえ、冷房設定ではなく、除湿設定で30度にしていたため、エアコンの部屋は、この気候で、すでに「暖房」状態になっています。

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不快な怒りと痛快な怒り

「(一つのプロジェクトが終わるまでは)穏便に済ませるのを良しとする」「揉めたくないから本音は言わない」といった、表向きは穏やかでもお腹の中は違っていたという姿勢に出逢って以来、心の中がざわざわしています。「怒るのはいけないこと」という意見を目にし、本当にそうなのかなと疑問に思っています。

怒りという感情が爆発し、他人に対する攻撃や暴力、犯罪などに変換されてしまうのは当然良くないこと。一方、自分に対する向上心や、組織・社会が改善されることに繋がるなら、怒りは建設的なものに転換し得ると考えます。

「不快な怒り」とは、他者にネガティブな感情をぶつけることに終始し、今となんら変わらない、もしくはよけい悪くなるもの。
「痛快な怒り」とは、今より良くなることに繋がるもの。それを聞いても気分が害することなく「そうそう!そうだよね」と前向きな気持ちになれるもの。。かな?

きのう投稿した和田秀樹さんの著書に「教育の重要性は、自分の怒りを言葉や思考や理論に深化させるため」とありました。たとえば、渋滞の交差点に立腹し、強引に侵入しても混乱が大きくなるだけ。そうではなく、そういう事態に出逢ったとき、「この交差点に左折信号を作ったほうが流れるのでは」という改善案を考える力や、それを論理的に文章化し、警察や役所なりに提案する力を育てるのが教育である、と。「勉強も同じで、怒りのエネルギーをプラスに転化するのも勉強の理由の一つ」と。これは納得できました。怒りを青空のようにさわやかに明るく転換できればいいのにな。

How to recognize and deal with anger – one of my theme

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