バリ島往復の機内で観た映画

今回の年末年始のバリ島行きでは、機内で映画を観た。

行きは、ウディ・アレンのラブロマンスと、「北のカナリアたち」「冬の小鳥」。

それ以外にもドキュメンタリーで、ピエール・エルメのブランド物語と「ガイアの夜明け」(ANA初の女性パイロット特集)。

帰りは、「ヤコブへの手紙」と「最強のふたり」。

まずは

1、「冬の小鳥」(韓国)

http://www.fuyunokotori.com

韓国から渡仏した経験を持つ、ウニー・ルコント氏の実体験を元にして描いている。

映画の中では「孤児院」という表現が使われており、日本では「児童養護施設」に相当する。

現在、セカンドハーベスト・ジャパンの広報として、フードバンク活動でいただいた食べ物を、児童養護施設などの福祉施設や団体に配分する活動をしている。

同様に、社会福祉の仕事に携わる人には観てほしい映画だと感じた。

9歳の少女の主人公、ジニが、大好きな父親に「泊まりにいこう」と言われて、新品の洋服を着て向かった先は、実はキリスト系の、女児だけが入る孤児院だった。

ウニールコント氏の実体験をもとに描かれているので、9歳の子どもの、どうしようもない悲しみと、どこにもぶつけられない怒り、せつなさ、寂しさ、人生に対する絶望感が伝わってくる。

そして

2、「北のカナリアたち」(日本)

http://www.kitanocanaria.jp

北海道の離島に、夫とともに赴任してきた女教師、川島はる。

6人の生徒たちは、川島先生に、歌の才能を見出され、つまらなかった学校が楽しいものに変わっていく。

しかし、、

20年後、川島はるの元に、教え子のうちの一人が殺人事件を起こしたというニュースが届く。

川島は、教え子たちに真相を問うため、北へ向かい、そこで、20年来言えなかった、お互いの思いが語られる・・・・

これは、映画「悪人」に通じるものを感じました。

「清濁併せ呑む」こと。

人間、きれいごとだけでは生きていけない。

つらいことも死にたくなることも、たくさん、ある。

それでも、人は、生きていく。

後悔や反省、苦悩、悲しみを背負って・・・・・

 

3、「ヤコブへの手紙」(フィンランド)
http://www.alcine-terran.com/tegami/

模範囚として恩赦を言い渡された女性、レイラ。

12年間暮らした刑務所を出て、ヤコブ牧師のもとで働くことになった。

目のみえないヤコブ牧師の元には、多くの悩める人たちから、祈りを求める手紙が届く。レイラの仕事は、その手紙を彼に読んであげて、返事を代筆してあげることだった。

しかし、ある日を境に手紙が届かなくなり、自分の存在感も薄れ、心身の元気を失っていくヤコブ牧師。

レイラは、見るに見かねて、手紙が届いたふりをする。

そして、これまで誰にも話したことのなかった過去の秘密を打ち明けるのだった・・・

この映画では「赦す」ということ、人を思うこと、愛情、憎しみ、さまざまな感情が描かれている。

フィンランドで公開以来、第82回アカデミー賞外国語部門に代表として選ばれたのを皮切りに、フィンランド・アカデミー賞(Jussi Awards)最多部門受賞、第33回カイロ国際映画祭でグランプリと脚本賞を受賞するなど、世界のさまざまな映画賞を受賞した作品。

4、「最強のふたり」(フランス)

http://saikyo-2.gaga.ne.jp
第24回東京国際映画祭でグランプリ受賞はじめ、史上初の3冠に輝いた、フランスの映画。

タイトルにある「ふたり」のうちの一人は、スラム街出身の黒人男性、ドリス。

もう一人は、パリの豪邸に住む、パラグライダーの事故により、首から下が麻痺してしまっている大富豪、フィリップ。

どう考えても接点のない二人が、あることをきっかけに、「最強のふたり」として人生を創り出していく。

実話とのこと。

笑いあり、涙あり。