平成27年度 埼玉県高等学校給食研究会栄養職員対象講演会で「食品ロスの現状と食品ロスを減らすためにできること」について、埼玉県内の高等学校の校長先生、副校長先生、栄養職員の方々へ講演しました。3分の1ルールによって販売できなくなった「ヌテラ」も、その背景をご説明し、パンフレットとともに、希望する教員の方にご提供しました。
印象に残ったのは、私の経歴のネガティブな部分(過去にうつ状態になったことがある、大学院受験失敗など)をさらけ出していることを、司会進行役の先生が評価してくださったことです。普通だったら隠して人には見せない部分を見せていることを「飾らない」「本音の話が聴ける」といったようにポジティブにとらえてくださいました。自分としても、自らの挫折や紆余曲折を、次世代の参考につなげたいと考えています。
かつて100名の小学生対象に食事調査をおこなったとき、一日の食事で最もエネルギーを摂取しているのが「学校給食」からで、全体の35%を占めていました。夏休みに入ると学校給食は途絶えます。一日一回、学校給食からしかエネルギーをとれない子どももいるので、とても心配です。
2011年3月11日の東日本大震災の翌年、放射性物質の影響で福島県産の食品が食べられなくなった福島県伊達市の子どもたちへ向けて、桃の缶詰を提供しました。学校給食は一食250円など、予算が限られているので、遠方から食料品を運べば運ぶほどコストがかさみます。福島県の名産である桃が食べられないため、米国産の桃缶を提供するという、なんともいえない現状。福島県伊達市の学校給食センターへ桃缶7,000缶を提供し、フルーツ杏仁豆腐を食べてもらうことができました。
「食品ロス」は、どうしても地味なテーマなので注目されづらいですが、2050年までに世界人口が90億人を超える現状で、食べ物が足りなくなることは必至。ロスを減らすことが一人ひとりにとっての急務です。学校の給食現場の方にこの問題を知って頂けたことを有難く思います。ありがとうございました。(於:埼玉県学校給食会 埼玉県北本市朝日2-288)