2017年6月20日 農林水産省ASEAN事業でカンボジアの王立農業大学で180分間の講義

2017年6月20日、農林水産省ASEAN事業の一環として、カンボジアの王立農業大学で180分間の講義をしました。

180分を3分割し、最初の60分間で、食品ロスと食料廃棄に関するレクチャー。クイズをまじえて、世界の食品ロスと、日本の食品ロス、具体的に減らすための方策などについてお話しました。

私の講義は、日本に在住経験のある、カンボジア人のリナさんが、クメール語に通訳してくれました(下の写真、左側がリナさん)。

講義には、青年海外協力隊時代の同期隊員である、山崎幸恵さんも聴きに来てくれました(写真、右手前が山崎さん)。

2限目では、5−6名のグループに分かれて、カンボジアの農産物を使っての商品開発をしてもらいました。

じゃんけんでグループ分けしてもらったのですが、日本のじゃんけんと違うところは、「チョキ」が1本指でもOKなところ。面白いですよね。

7グループ中、豚肉を使ったグループが2グループ。鶏肉の脚の漬け物、穀物パウダー(6種混合)、ドライマンゴー、魚のペースト(発酵食品)などが挙げられました。

実は、この前の日に、プノンペンにあるイオンモールの食料品売り場を視察していました。

カンボジアでも「20%割引」ってあるんですね・・・

鍋の材料でしょうか、さまざまな素材がまとまった形で売られていました。

カンボジアの卵の賞味期限表示についても調べてみました。

残り2週間。っていうことは、日本並み。イオンモールだからかしら。

ピンクの卵も!

驚いたのは、日本語表示のままの食料品が商品だなに並べられていたこと。


つまり、現地の人は、原材料やアレルゲン、栄養表示などが読めないということになります。

カンボジアには、「栄養士」という職業が存在しないのだそうです。

また、商品開発というと、イラストを描くことが多いですが、7グループの中には、イラストがほとんどなく、文字だけを模造紙に書いているグループもいらっしゃいました。

通訳のリナさんによれば、カンボジアの人達は、イラストを描くのが苦手とのこと。

商品開発は、「日本に輸出する目的で」と考えてもらいました。したがって、日本の場合は、アレルゲン表示(義務項目は7項目)をしていないと、自主回収になってしまうことも説明しました。

ふたをあけてみたら、「化学調味料を使っているので日本には輸出せず、ヨーロッパのみ」というグループもありました。「日本」って言ったじゃん・・・(笑)

また、日本では「砂糖や塩を大量に使っているものは避けられやすい」と説明しましたが、考えられた食品は、塩分を大量に使った魚のペーストや、砂糖を60%使ったドライマンゴーなどでした。

やはり、栄養士が存在しないこと、栄養表示がなくても販売できること、食事摂取基準などもないことなど、栄養的な視点がないことが影響しているのかもしれません。

3限目にプレゼンテーションをしてもらいました。「1グループ5分」と設定したのですが、暑さのせいか、タイマーをかけて時間を測るのを失念してしまいました。

1グループが10分以上話すなど、それを7グループが順番にやっていったので、結果的には、とても長い長いプレゼンになってしまいました・・・

タイムマネジメント、学生にまかせるのは、難しそうです。

学生のみなさんは、質問もしながら、楽しそうに聞いてくださっていました。

ASEAN事務局の日本の方々や、インドネシアの方に審査員をお願いし、最終的には優勝チームを決めました。

優勝は、ドライマンゴーを開発したチーム!!

日本から持ってきた女性誌や、日本で販売されている食品のパッケージ多種類、私の本など、いろいろプレゼントしました。

私も最後に、副学長からプレゼントを頂きました。

ココナッツオイルと額でした。

ありがとうございました。

詳しいレポートは、農林水産省の職員の方々や、関係組織の方が購読されている、時事通信社の「Agrio(アグリオ)」に掲載される予定です。

お世話になりましたカンボジアの王立農業大学のみなさま、ASEAN事務局のみなさま、通訳のリナさん、山崎幸恵さん、そして農林水産省のみなさま、ASEAN事務局のみなさま、どうもありがとうございました。