「リサイクル」より「リデュース(廃棄物の発生抑制)」のほうが優先順位は高い

本日2016年7月8日付の日経MJを見ていたところ、日経BP社がおこなった「環境ブランド調査2016」の結果が記事として取りあげられていました。11面の「ニュースなデータ」です。

見出しとして

「トヨタ、首位奪還」

「2位はサントリー」

「『リサイクルに力』はファストリ1位」

とありました。

あれ?

「リサイクル」は、環境の原則「3R=Reduce、Reuse、Recycle」からみて優先順位3番目です。なぜなら、せっかく人件費やエネルギーを費やして作ったものを、またリサイクルにするとなると、二重にコストやエネルギーが費やされるためです。

なぜ?

「リデュース」は質問しなかったの?

と思って、もとのデータを見に行きました。

日経BP社のところには見当たらなかったのですが、一般社団法人エコマートさんが、エコ関連のプレスリリースとしてとりあげてくださっていました。

これを見ると、「リサイクルに力を入れている」のほかにも「廃棄物削減に力を入れている」企業 という質問項目が存在していました。

https://www.ecomart.or.jp/press/detail.asp?id=239575

もうすこしいえば、「廃棄物削減に力を入れている」より「廃棄物の発生抑制(=Reduce)に力を入れている」としてほしかった。

そして、この調査結果をとりあげる日経MJさんは「リサイクル」より「リデュース」を優先して見出しにあげてほしかった。

もし私がこの記事を担当したならそうします。

日本の話だけではなく、世界的にも、Recycle(リサイクル)より Reduce(リデュース)を最優先するのは共通だからです。

京都市は、2回取材にいきました(今年2月と5月)が、3Rのうちの「リサイクル」を抜かした「2R(に あーる)」を提唱しています。もうすでにリサイクルはしっかりやってきているから、そして、リサイクルにはコストとエネルギーがかかるから、だそうです。

※ 2R(に・あーる)…ごみになるものを作らない・買わない「リデュース」と,繰り返し使う「リユース」

http://www.city.kyoto.lg.jp/kankyo/page/0000192502.html

東京都文京区も、5月に講演にうかがった際、「2R」とおっしゃっていました。

http://www.city.bunkyo.lg.jp/tetsuzuki/recycling/event/ekokarejjibosyuu.html

日経MJの愛読者ではありますが、今回の見出しと、もとデータのとりあげ方をみると、報道のされ方に頼ってはいけない、と強く感じた次第です。

専門分野ではない分野の記事を書かなければならない、日々勉強しているメディアの方には敬意をはらっています。

もし自分なら、次々飛び込んでくる専門外のこと、毎日記事にするなんて、とてもできない。

ただ、やはり、専門分野のことを深く(メディアが)報じることには限界があると思います。

MJの記事も、「リサイクル」より「リデュース」が優先順位上、とわかっていたら、こういう見出しにはならなかった。

「事実」と「報道」は、イコールではない。

「報道」は、報じる人のフィルターがかかっている。

だから「報道」をそのままうのみにしない。

メディアリテラシーを持つこと。

「あれ?」と思ったら、自分で調べてみること。

スポンサードリンク



コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください