元朝日新聞編集委員、稲垣えみ子さんの初の書き下ろし、『魂の退社』。
稲垣さんが在職中に連載されていたコラム、楽しみに読んでいました。
数ヶ月前、この本が予約できる状態になったとき、即、予約しました。
ようやく届いた翌朝、一気に読みました。
よくぞ書いてくれた、という感想です。
会社を辞めることの不安と開放感の入り交じり。
ライオン(株)と日本ケロッグという、いわば、人から見たら「大企業」を辞めた私も、かつて経験した思いでした。
名言がたくさんありました。
『「ない」ことのほうがずっと贅沢』
『私はそれまでずっと、何かを得ることが幸せだと思ってきた。しかし、何かを捨てることこそが本当の幸せへの道なのかもしれない』
『会社という組織を恐れていると、おかしい、不合理だと思うことがあっても、組織のパワーの前に、つい声を上げることをためらってしまいます。しかし誰もいないところで愚痴や文句を言う暇があるなら、頑張って正面から声を上げればよいのです。ダメでもともとと思えば案外どうということはない。』
『日本人のサラリーマン、給料という名の「麻薬」を打たれ続け、それなしじゃ生きられなくなっちゃってるんじゃない?ちょっと、何か、弱っちくない?』
『経済成長は、日本人の自立でなく、依存を生んでしまったのではないか』
『たくさんのチューブにつながれて生きる重病人のようなもの』
痛快な言葉が並びます。
これを読んだ、特に30代以上の既婚者は、「女だからできるんだ」とか、「何もしがらみがないからできるんだ」など、自分ができない言い訳をするのではないでしょうか。
「金」と「数字」と「昇進」が、仕事のモチベーションの人たちは、特に。
でも、もう、そういう昔の時代の働き方は古いよね。
何より、命を授かった自分が可哀想です。
一度、読んでみるといいかも。
自分を測る「リトマス紙」の役割もしてくれると思います。
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