廃棄ロスの多さは食品の価格に転嫁される

3月1日、TBSの「News Bird」に40分間生出演しました。

「食品ロス」のテーマで、キャスターの方と対談しました。

そのとき、6分間のVTRが流れました。

コンビニ関係者という男性が、顔を見せずにインタビューに答えていました。

「コンビニは、捨てる前提で動いている」

おっしゃる通り。

スーパーマーケットに比べて、コンビニエンスストアのほうが、全般的に価格が高めです。

それは、廃棄が多い、というのが一因です。

廃棄物の処理費用は、企業が負担します。

でも、企業が赤字になってまでそれを払うでしょうか。

その費用は、商品の価格に上乗せされているのです。

そのようなことを、2016年1月、テレビ東京の「ワールドビジネスサテライト」に出演したときにもお話しました。

そうしたら、同じ内容を代弁してくださっている記事を見つけました。

2016年4月10日付、日経MJの2面に掲載されている「日経MJ ヒット塾」。

法政大学 経営大学院教授の小川孔輔先生が、インストアベーカリーの成功事例として、アクアベーカリーを紹介している記事です。

インストアベーカリーとは、百貨店やスーパーマーケットの中に出店している、いわば「焼きたてパン屋」のこと。

無駄が出やすい事業でもあります。

私も、かつて、百貨店に出店しているベーカリーから相談を受けたことがありました。

百貨店が「閉店まぎわのお客さんも、たくさんの種類のパンを買えるよう、閉店ぎりぎりまでパンを売り残しておくように」「値下げをすると、うち(百貨店)のブランドイメージが落ちるから、値下げしないように」と指示したそうです。

ベーカリーは、その指示にしたがって日々営業しているため、毎晩、大量のパンが売れ残り、廃棄している・・・

どうしたらいいだろう。

フードバンクに寄付をしようか、でも、本部が承諾しないとできない・・・という相談でした。

前述の日経MJの記事で、小川孔輔先生は、

インストアベーカリーのパンの価格帯が高くなる理由として、

 廃棄ロスがたくさん出る分が価格に転嫁されるため

とおっしゃっています。

このことを意識していない消費者の方が多いのでは、と思います。

食品の価格って、原材料と人件費だけではありません。

捨てるための費用も含まれています。

あるパン屋さんは、「われわれは、空気を売ってるようなものだ」とおっしゃっていました。

食品の価格を判断するとき、はたしてこの価格には廃棄処理費用が含まれているか否か、という観点で、改めてみて頂きたいです。

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