ある大学教授から突如連絡を頂きました。昨年の廃棄物資源循環学会で発表した「フィリピンの規格外の余剰農産物=オクラを活用したフードバンク」を見つけて連絡下さったそうです。「自分は、研究のための研究には関心がない。(社会の)問題解決に関心がある。このような(余剰農産物を活用する)活動を継続・拡大していくため、今週のタルラック渡航に際して情報を教えて欲しい」とのことでした。A professor contacted me to know the information about the food bank activities in Tarlac, Philippines
フィリピン・タルラックは、青年海外協力隊時代の私の任地です。将来ここに戻ってくるとは、隊員当時、思ってもいませんでした。2012年から2014年にかけての3年間、ここに通い、オクラ輸出企業から余剰オクラを受け取り福祉施設に運搬する仕組みを作ったり、任地だった大学にお願いしてオクラレシピを開発したり、地元行政に依頼して、賞味期限延長のためのオクラヌードル加工研修を大学で実施したりしていました。情報発信したことで、学術的には全く価値の無い、このようなささいなプロジェクトを見つけてくださり、すこしだけ救われる思いがしました。
「情報発信が大事」とは、よく言われます。そのテクニックや手段などのhow toも有効だけど、それ以前に、伝えたい中身や発信者の熱意の方が重要なのでは。「広報」でも、仕事だから義務としてやっている人と、その対象を愛してやっている人とでは、伝わり方が違うよね。「これだけは社会に伝えたい!」という思いの込もったことの方が、人には伝わりやすく、じわじわと社会を動かしていく力に結集するのだと感じます。あとは一方的な「伝える」でなく、「伝わる」ように伝えること。たぶんそれは技術というより、発信者の相手に対するサービス精神や思い。広報を18年くらいやってきて、本質的でない表面的なものに携わるのはもういいかなって思います。幹や根っこが無いのに枝葉だけ華やかに魅せようとしても無理だよね。
産官学プロジェクト 農産物加工会社と運送会社とのフードバンク
http://bit.ly/1BHk615