このように、一方では食品ロス、他方では食の貧困という、二つの社会的課題が存在している。所轄官庁としては、食品ロスは現在、農林水産省・消費者庁・環境省・内閣府・文部科学省・経済産業省の6省庁が連携しており、貧困(福祉)は厚生労働省が担当している。これら二つの社会的課題は、どうしても分断されざるを得ない。かつてオリンピック誘致活動の折「おもてなし」という言葉が流行ったが、似たような言葉に「おすそわけ」がある。食べきれない頂き物などを、近所や知人に分けることを指す。同様に、一方に食べられるけれど余っている食べ物があり、他方に食べ物に困っている人がいるならば、それを繋いで渡せばよいのではないか。その考え方にのっとった活動が「フードバンク活動」である。