東京大学大学院日記(2)

玉砕し、次に受験したのが東京大学大学院、社会情報学専攻。

なぜなら、秋葉原から通うのに、御茶ノ水の次に近いのがここだから。

秋葉原から始発のバス(駒込駅南口行き)に乗れば、15〜20分で到着する。

埼玉県坂戸市にある女子栄養大学大学院と違い、自宅・勤務先・大学院の距離関係がどれも30分ぐらいでおさまる。

よし、ここだ。

ものものしい数の書類をそろえ、提出し、受験。

2012年8月。

筆記試験と英語の試験(TOFEL)は合格した。

受験生の数も半端ではなく、同じ専攻は82名ぐらい受験し、一次試験に合格したのが27名。

そして二次試験(面接)。

例によって三対一(面接官三名、受験生一名)。

大学院の面接は、三対一が定番らしい。

ここで聞かれたのは

「あなた、何学部受けにきたの」

「なんで学位(博士号)を持ってるのに受けるの」

といった質問。

要するに、なんで栄養学の人が畑違いの学科を受けるわけ?しかも、もう学位持ってるじゃん。という質問。

夏目漱石は、博士号を持つ者を「不具者」と称している。

世間的には、博士はなんでも知っているかのように誤解されているが、そうではなく、狭い狭い、針の先を研究した人なのだから、そうではない、と夏目漱石は語る。

この言葉に共感する。

だから、学位を持っている人がさらに学ぶ必要は無し、という言葉に疑問を感じる。

なんでそんな針の先ほどしか研究していないのに、それで止まってしまえるのだろう??

ところで、この受験は、案の定、玉砕した。

一次試験で82名が27名になり、二次試験で27名が確か19名になった(定員20名)。

面接のやり取りで、結果は予測できた。

その後、別の大学の社会学の研究室で食品廃棄と食品ロスについての講義をした際、教授に、社会学系の大学院を2つ受験して、2つとも不合格になったことを話したところ、「相性が悪かっただけでしょう」と言われた。

日本では、社会学で食のことを研究する例が少ないそうだが、海外ではごく一般的とのこと。

「そんなところに行っても面白くなかったから、落ちてよかったんじゃない」と言われた。なぐさめてくださったのだろうと思う。

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