安い食品を求める消費者が負うリスク

私の勤めていた食品メーカーでは、商品を流通できないため処分する場合、商品を3分割してリサイクルに廻していました。

外側の箱の部分は再生紙に加工します。
内側のアルミ蒸着フィルムはブロックなどに加工します。
中の食品は、動物の飼料や植物の肥料などに転用します。

ただ、このように分割するのは手間とコストがかさみます。あるガムのメーカーの方によれば、商品を処分する場合、4分割しているそうです(外側のフィルム、外側の紙のパッケージ、ガムを包む紙、ガムそのもの の4つ)。

このような、いわゆる「廃棄コスト」は、食品メーカーが負担します。では、企業が赤字を出してまで廃棄コストを払うでしょうか?食品の販売価格の中に織り込まれているはずです。ということは、著しく安価な食品というのは、意図せざる返品・廃棄が発生した場合、適正な廃棄コストすらかけられない、ということになります。廃棄コストすらかけられないと、どうなるでしょう?安く引き取ってくれる業者に、そのまま託すでしょう。

商品として流通できるものと、そうでないものとは、本来、誰もがわかる形で区別されてメーカーの外に出るべきではないでしょうか。

消費者が、食料品の価格が「安いほうが助かる」と言う気持ちは理解できます。ただ、安いものにはそれなりの理由が隠れているはずです。メーカーが過剰に価格を下げることにより、結局は、メーカーや卸、小売店のみならず、それを購入する消費者にまでリスクが廻ってきてしまうことになるのではないかと思います。

適正な価格の食品を選ぶ。
ということを、日々の買い物でして頂きたい。
そう願っています。

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