あなたの傷は、いつかきっと勲章になるから。

わずか3分会うために往復6時間かけて空港まで来てくれて、本当にありがとう。Thank you, Ate Lyn! I appreciate your kindness.

実はトラウマがあり、15年間、ここフィリピンに来ることができませんでした。
青年海外協力隊派遣当時、2年の任期満了直前、自覚なしにうつ状態になっており、医師から「明日、帰国」を指示されました。あともう少しで任期満了だったのに、任務を全うできなかった。自分を責めました。激しい挫折感を味わいました。もう仕事も辞めてしまって来ていたし、無職状態。寿司を食べても砂の味しかしない。文字が書けない。選択肢を選ぶ決断力がない。痩せ細り、やる気もなくなり、生きていることがつらくなった。
そんな中、毎年、お互いの誕生日にカードを贈りあっていたのが、Ate Lyn (アテ リン、タガログ語でリン姉さん)でした。協力隊の任地である国立大学の職員です。業務上は直接関係がありませんでしたが、公私ともに良くしてもらっていました。
帰国から15年後、思いきってフィリピンのセブ島に旅行に来ました。
その半年後、フィリピンで規格外のオクラを棄てずに困窮者に活かす活動を始めることができました。
そしてその翌年、レイテ島台風被害の支援活動でフィリピンに来ました。それを機会に、16年ぶりにAte Lynと再会、やり取りすることができるようになりました。16年間も会っていなかったのに、3日前に渡航を決めたのに、当時の大学の学長や副学長、同僚、15人もの人たちを集めて、パーティで歓待してくれました。
今回、セブからマニラ経由で成田へ帰国する乗り継ぎの、ほんの数分間のため、往復6時間もかけて、Ate Lynが、夫婦&長男家族ではるばる空港まで会いに来てくれました。体調もよくないのに。そこまでして会いに来てくれる人が、人生でひとりでも居てくれることを幸せに思います。
友達って、しょっちゅう、ベタベタ、一緒にいなくていい。物理的に離れててもいい。細く、長く、つながっていられれば。
18年前、ある人が私に「あなたの傷は、いつか勲章になるから。」と言ってくれました。18年経ちました。情けないことに、まだ、勲章とはとても思えません。
多くの人は、こころやからだに傷を負っていると思います。人を亡くした悲しみは消えない。自分の挫折や失敗、病気も消えるとは限らない。100%、心身健康ではないかもしれない。でも、完璧に心身健康でなくたっていい。人生は、その傷や悲しみを負いながらも、前を向いて生きていくものなのではないかと思います。
いま、何かで凹んでいる人に、
「あなたの傷は、いつかきっと、勲章になるから。」
という言葉を伝えてあげたいです。私も、18年間、自分に言い聞かせて生きています。
Thank you very much, Ate Lyn! I’m very glad to see you 22 years ago and have kept in touch for such a long time! God bless you.
Maraming salamat po, Ate Lyn!

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