本を読む人だけが手にするもの  「年収」でなく、「時給」をみる

教育改革実践家、藤原和博さんの著書

「本を読む人だけが手にするもの」

  

最も印象に残ったのは、次の文章である。

『1時間あたりの報酬が1万円を超えたところから、私は「エキスパート」と呼ぶことにしている』

ビジネス雑誌で今だに特集されるのは「年収の高い会社ランキング」のような類いのテーマ。

その「高い」年収を稼ぎ出すために、月に何十時間拘束されるのだろう。

時給はいくらなのか。

拘束時間を見ずして年収だけを比較して語るのは片手落ちではないか。

そう感じる。

常に「1時間あたり1万円以上」をいただけるだけの仕事をしていきたいと思う。

その一方で、収入という一つの要素だけで職業を決めることのないように、と考える。

優先順位の最も上位が「収入」なのであれば、それはそれで納得できる。

ただ、仕事に求める要素は、人によって異なるはずだ。

その人が何を優先するかによって、仕事の選択は違っていいはず。

東日本大震災の後、仕事に対する考え方が変わった人もいる。

もう一つ、この本で印象に残ったのが、書籍「ピーターの法則」から引用された次の言葉。

『「昇進をうれしがっていると、あなたはどんどん無能になっていくよ」という警告』

一つの組織の中で、上にのし上がっていったからといって、それが、イコール、日本あるいは世界での社会的地位が上がったということにはならない。

藤原さんにとって、この書籍がビジネスパーソンとしての半生を規定した本だそうである。

このような考え方の本との出逢いは、藤原さんのキャリア形成にとって、とても幸せなことだったろうと思う。

私にとって、「本を読む人だけが手にするもの」は、上記2点に出逢うことができ、良書だったと感じた。

この書籍とは関係ないが、かつて朝日新聞デジタルで特集していただいた「複線型のすすめ」。

昭和の時代のように、一つの組織に一生勤めるというスタイルではなく、二つ以上の仕事を並行して進めていくという生き方をする人の特集である。

こちら、第一回目がさとなおさん、第二回目が藤原和博さん、第三回目が、私だった。

こんな偉大な方と並列に特集していただいたのを、ひそかな誇りとしている。

「複線型のすすめ」
http://www.asahi.com/and_M/living/TKY201305200203.html

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