大学卒業して最初の職場、ライオン(株)家庭科学研究所での学びの一つは、この曲線(放物線)でした。前任者から引き継いだ「目尻のしわ」のデータ採取(n=10)。この業務で被験者100名(n=100)まで増やし、経時変化や個人差のデータを定期的に取っていました。横軸に年代、縦軸に数値化したしわのレベルをとると、このような放物線を描くのです。つまり「20代、30代はしわが少なく、個人差は非常に少ない」「年代を重ね、40代、50代になっていくと、しわのレベル=老化のスピード の個人差が非常に大きく開いていく」ということです。私はこのことは「しわ」だけでなく、仕事や勉強、経営など、多くのことに当てはまると考えました。
物事をやりはじめのときには遅々ととした歩みで成果が見られず、個人差も小さいのですが、蓄積していくにつれて成果が現れ、個人差も大きくなる、ということです。石原明さんはこの曲線のことを「成功曲線」と名付け、(株)日本経営教育研究所として商標登録をとっていらっしゃいました。
多くの人が、右肩上がりの直線で伸びていくことを思い描く。でも現実はそうはならない。落ち込み、挫折し、あきらめます。でもこの「踊り場」の停滞を停滞と捉えない人が生き残っていきます。ど根性のような我慢が必要というより、取り組んだ物事に対する愛情、芯の強さ、肚の据え方、能天気さや愚直さなども貢献するように思います。若い人は、ベテランや年配者が軌道に乗っている、力を発揮する瞬間だけをとらえて「自分もああなりたい」とうらやむことがあります。現代はワンクリックで多くのものが手に入るので、即座の成果を求める人が増えています。でも、いま調子が出ている人は、その前の踊り場を積み重ねてきたことも忘れてはならないと思います。
Learning by working for Lion co.
The degree of the growth draws a parabola
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