講演・セミナーとは回答を得る場所なのだろうか

食品ロス削減をテーマとした講演をおこなった折、質疑応答で、「消費者は(食品ロス削減のために)どうすべきかを聴きに来たので、もっと具体的なことを聴ければもっとよかった(のに)」という言葉を戴いた。

消費者もしくは消費者へ指導する立場の方を対象にした講演の場合、そういう言葉が出やすいのを感じている。すなわち、「how to」や、すぐできる「回答集」のようなものを求められるということである。

だが、食生活や購買行動というのは一律ではない。家族構成やライフスタイル、ライフステージによって異なる。

また、一人の人の中に、さまざまな食行動や購買行動がある。あるものは1ヶ月かけて食べきるかもしれないが、ある食品は今日、すぐに食べる。賞味期限への関心度合いも、一人の人であっても、まったく気にしないもの(たとえばペットボトルの飲料を買うときは気にしないだろう。実際には、ふたの部分に明記してある)もあれば、必ず確認する食品もあるであろう。

100人を対象にした講演で、講師は100通りの回答を示さなければならないのだろうか。違うと思う。

講演やセミナーとは、あくまで、そこからヒントや気づきを得て、聴講者ひとりひとりが自ら考えるものではないだろうか。






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