5つの肩書きを持つ人に対する日本と海外の評価の違い

会社を辞めたら聞かれるようになった質問はもう一つあります。

「メイン(の仕事)は何ですか?」という質問です。

ラジオを聴いていたとき、東京とミラノに拠点を持ち、複数のプロジェクトを抱えて活動する、デザイナーで建築家の佐藤オオキさんが、

「5つの肩書きを持っていると、海外では

“ほかの人の5倍がんばっているんですね”

と言ってもらえるが、日本だと

”ああ、いろんなことを5分の1ずつやってるんですね”

と言われる」

と話していて、すこし、わかるような気がしました。

一つの組織に所属していることが相手に対する安心感をもたらす一方、いろんな肩書きを持っていることは、日本の中では、あまり好意的に見てもらえない気がしています。

日本では、

「なんとか会社のなんとかさん」
「○○財団の○○さん」

のように、個人の名前の前に枕詞(=所属する組織)をつけたがるので、それがないと、つかみどころがないのでしょう。

福山雅治さんは、音楽をやり、俳優をやり、写真を撮り・・・でも、おそらく「メインは何ですか」とは聞かれないでしょう。何か枕詞をつけなくても、「福山雅治」という個人としてとらえてもらえる、そういう存在にまでなっているからだと思います。

前職のグローバル企業時代、海外では、ほとんど名刺交換しないことに気づきました。会話を交わしていって、ああ、この人とは、これから先も付き合いが続いていくだろうな、と思った人に対しては、「これ、自分の連絡先だから」と言って、business cardを渡してくれる。

日本では、初対面の人とは「とりあえず」名刺交換から入り、「○○会社の○○です」って言い合い、そのあと、二度と会うことのない人の名刺は、結局、無駄になる。これこそ、紙とインクの「もったいない」ではないでしょうか。






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