東京大学大学院日記(50)

2013年7月4日、食の安全ゼミナール。

放射性物質と魚に関して。

2013年7月5日、農学国際特論。

荒木先生。

ポストハーベストの技術に関して、英語での講義。

2013年7月6日、エグゼクティブ・プログラム。

エマージングウィルス感染症について、甲斐知惠子先生。

ウィルスは素人の分野だが、興味深い内容だった。

マレーシアのイポーで発生したウィルスについて、ちょうど発生当時から間もないころ、マレー鉄道の旅でイポーに滞在したことがあったので、驚いた。

以下、レポートの内容を一部。

牛の乳搾りをしている子どもや女性は天然痘にかからない、ということで、牛の乳房にできた痂皮(牛痘)を子どもに植え付けて、天然痘を防ぐ、ということを世界的に広めた、エドワード・ジェンナー。講義の後、興味を持って少し調べてみたところ、ジェンナーが21歳の時(1770年)、英国ロンドンへ医学の修行に行き、外科医で植物学者であるジョン・ハンター氏の住み込みの弟子になったとのこと。当時、ジェンナーが牛痘について何度も質問したところ、ハンター氏の言葉が” Do not think, but try: be patient be accurate”(あまり考えることはやめて、とにかく実験してみること。辛抱づよく、正確に)だったとのこと。ジェンナーが、子どもへの天然痘予防の成果を論文にまとめ、1797年、英国王立協会の機関誌「Philosophical Transactions」に投稿したところ、協会は論文を不完全とみなし、コメントもつけずにつき返したそう。ジェンナーはこの論文に2件の症例を追記し「Inquiry」を自費出版し、これが医学や生物学に多大な貢献をし、パスツールやコッホに受け継がれ、出版から3年後に天然痘ワクチンが世界中で使用されるようになったとのことだった。ジェンナーが種痘法の特許を取らなかったのは、特許を取るとワクチンが高価になり、多くの人々に行き届かないと考えたからであった。自分の懐が潤うことより、社会の人々への貢献を第一に考え、地道に辛抱強く、正しいことを世の中に広めようとしたエドワード・ジェンナーを誇りに思う。自分も彼の良いところを学び、研究者として少しでも近づけるようになりたいと感じた。

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