東京大学大学院日記(33)

2013年5月25日。

朝から夕方まで大学院。

朝〜15時45分までバングラディシュの教授による「アジアの食と農・環境」(英語に

て)。農学部7号館B棟。

16時〜夕方まで農学生命科学研究科の教授による「匂い・香り・フェロモン・嗅覚のメカニズム 食生活との関わり」。

後半でインパクトのあった言葉は

「どんな香水にもうんこのにおいが入っている」

「ワインの中には生ゴミのにおい、足のにおいが入っている」

何が臭くて何が臭くないかは経験に基づくし、人によって感じ方が異なる。

味覚を感じる受容体は数十種類だが、嗅覚の受容体は388種類もある。

書籍「心が安まる老子」には『きれいも汚いも同じもの』とある。

立場によって見え方が異なるだけで、実は両者とも同じ場所にある、と。

事実はひとつでも、考え方は複数ある。

東日本大震災の後、被災地へ行って最も強く感じたのは「におい」だった。

お風呂に入らずに支援活動に励むボランティアの方たちの体臭、魚の腐ったにおい、がれきのにおい・・・

見たもの、聞いたものは映像や写真、文章などで記録しやすいし、伝えやすいが、「におい」は記録に残しにくい。

特に経験したことのない「におい」は、人から人へと伝えづらい。

それでも「におい」は記憶と強く結びついている。

「におい」を嗅いだだけで、誰もがその人にとっての「あの頃」を思い出す。

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