2013年5月25日。
朝から夕方まで大学院。
朝〜15時45分までバングラディシュの教授による「アジアの食と農・環境」(英語に
て)。農学部7号館B棟。
16時〜夕方まで農学生命科学研究科の教授による「匂い・香り・フェロモン・嗅覚のメカニズム 食生活との関わり」。
後半でインパクトのあった言葉は
「どんな香水にもうんこのにおいが入っている」
「ワインの中には生ゴミのにおい、足のにおいが入っている」
何が臭くて何が臭くないかは経験に基づくし、人によって感じ方が異なる。
味覚を感じる受容体は数十種類だが、嗅覚の受容体は388種類もある。
書籍「心が安まる老子」には『きれいも汚いも同じもの』とある。
立場によって見え方が異なるだけで、実は両者とも同じ場所にある、と。
事実はひとつでも、考え方は複数ある。
東日本大震災の後、被災地へ行って最も強く感じたのは「におい」だった。
お風呂に入らずに支援活動に励むボランティアの方たちの体臭、魚の腐ったにおい、がれきのにおい・・・
見たもの、聞いたものは映像や写真、文章などで記録しやすいし、伝えやすいが、「におい」は記録に残しにくい。
特に経験したことのない「におい」は、人から人へと伝えづらい。
それでも「におい」は記憶と強く結びついている。
「におい」を嗅いだだけで、誰もがその人にとっての「あの頃」を思い出す。