初めて立石さんのセミナーを聴いたのは会社員時代でした。2009年か、2010年。
一冊めのご著書『本当に必要な人を引き寄せる 頭のいい人脈の作り方』を出版された(2009年6月)後だったと記憶しています。
会社員から独立されたと伺って、当時、雇用されている立場、食品企業の広報室長だった私は、立石さんに親近感を覚えながらも、「自分に独立はちょっと無理かな・・・」「しかも著書の出版なんて・・・」と、やや距離を感じておりました。
そして、2011年3月11日。私の誕生日に東日本大震災が起きました。
トラックに乗って被災地へ食料支援に行く中で、危機に際して“傍観者”になる人と“行動者”になる人を見て、自分は後者でありたい、と強く思いました。
被災地支援の中で、大量の食品ロスを目の当たりにしました。
14年半勤めた会社。管理職になれたポジションを捨てるのか、続けるのか。ノイローゼになるくらい悩んだ末、同年9月末、退職し、独立。
それから2014年10月までの3年間、余剰食品を生活困窮者に届けるフードバンクの広報責任者として走ってきました。
NPOの創始者から「うちの広報をやってくれない?」との依頼を受けました。食と広報と社会貢献。自分の職務経験を活かせる場で働くという使命を感じながらも、NPOというこれまで経験したことのない組織での仕事、一人の広報責任者という立場で孤軍奮闘しておりました。
その間に、立石さんは、2冊目のご著書を出されていました(2012年)。
『起業家10000人から見た「結果を残す人」のたった1つの行動習慣』です。
そして、2016年3月16日。立石さんが、3冊目の著書を出版なさいました。
『決定版 セミナー講師の教科書 テーマの見つけ方から集客、ブランド・ビジネスモデル構築まで』(かんき出版)です。
立石さんは、独立されてから10年強の間、コンスタントに出版されています。
一貫して感じるのは、ご自身の「自分の思っていることを言えない」体験から、同じような悩みを抱えて自己実現できない人への寄り添いと思いです。
今回、3月16日に出版された『決定版 セミナー講師の教科書』に書かれている中で、最も印象に残ったのは、次の言葉です。
『37歳のときにセミナー講師をするようになり、自分らしく生きることの意味、大切さに気がつきました。講師として、自分の考えを自分の言葉で話すと、多くの人が喜び、感動してくれる。それは、私にとってもこれまで経験したことのない、魂が震えるような感動でした。そのおかげで、偽りの言葉で人を喜ばせてきた自分と訣別し、「これからは自分の気持ちに正直でいよう」「自分らしく生きていこう」と思えるようになったのです。すると、いろいろなことがうまくいき始めました。』
最近、感じているのは、人間には2種類いるということです。
Give & Takeで言うと、「Give(与える)の人」と「Take(奪う)の人」。
前者は、自分の持てるものを社会に与えることを常に考えています。
後者は、いかに自分がもらえるか、得をするかを常に考えています。
立石さんは、前者の人です。
ご自身の体験、知識、ノウハウなど、得たものを惜しみなく与えています。
また、与えながら、ご自分の強みである「パーソナルブランド」を日々、強化されていらっしゃいます。
初めてお会いしたときと比べると、立石さんの“パーソナルブランド”力に、ますます磨きがかかってきているのを感じます。
この本には、立石さんのご経験に加えて、すでに強力なパーソナルブランドを立ち上げている数々の方が登場します。
立石さんの著書に協力を惜しまない人がたくさんいらっしゃるという証拠でもあると思います。
ご自身の体験だけに陥らず、さまざまな専門分野の方の事例を紹介してくださっていることで、より、説得力が増し、楽しく読めるようになっています。
私は、普段、セミナーを主催する側というより、依頼を受けて講演する立場です。
立石さんの講師のスタイルとは、また違うかもしれませんが、この本のように、系統立てて整理して書いてくださったことで、改めて、講師としての自分の棚卸しの必要性と、新しい分野での活躍の可能性を実感することができました。
すでに講師として活躍されている方はもちろん、まだ講師という立場を一度も経験されたことのない方にも読んで頂きたい一冊です。
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