「自己PR」を誤用・多用する人々

PR=アピール という意味ではないのに、「自己PR」(自己アピール)のように誤用・多用されており、いつも残念に思っています。

PR=Public Relations
本来は、組織とステークホルダーとの間に好ましい関係性を築いていくための考え方や行動を指しています。

What is PR?
PR=Public Relations

日本PR協会発行のPR手帳2014を、あらためて読み直してみました。
米国で定評のある「Effective Public Relations」では、次のように定義されています。

『パブリックリレーションズとは、組織体とその存続を左右するパブリック(公衆)との間に、相互に利益をもたらす関係性を構築し、維持するマネジメント機能である』

『企業、行政、学校、NPOなど、あらゆる組織体が、それを取り巻く多様な人々(ステークホルダー)との間に継続的な信頼関係を築いていくための思考・行動である』

そうだよね。
PRとは、信頼関係を築いていくこと ですよね。
何か目新しいことをしでかして、メディアに「突発的に」取りあげてもらい、「広告換算を稼ぐこと」「露出を増やすこと」「パフォーマンス」ではない、はずですよね。

PRの意味を取り違えているケースを目の当たりにし、しかもそれが世間一般に当然のごとく受け入れられており、全国紙などのメディアですら、「アピール」の意味で「PR」を見出しに大きく掲げているのを見て、残念に思います。

そんな「勘違いPR」から距離を置くことができて、本当に良かった。

1967年に「行政広報論」を著した井出嘉憲(当時、東大教授)が、広報・PRの理念を下記の4つに表現したそうです(日本PR協会 PR手帳2014より)。

1、事実に基づいた正しい情報を提供する
2、相互交流のコミュニケーションの実現をめざす
3、公共の利益と一致させる
4、人間的接触を基本にする

1にある通り、PRとは、事実に基づいた正しい情報を提供することであり、実際のものよりも、いかにも良さそうに、誇大に見せ、目を惹かせるものではないですよね。

本来のPRは、地味で、地道なものであると考えています。
もう「PR」と言うと、本来の意味とは別ものになっちゃってるから、使わないほうがいいね。

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